ターミンジカPanolia eldii)は、哺乳綱偶蹄目シカ科に分類されるシカ。別名エルドジカ

分布

インド北東部、カンボジア、タイ、中華人民共和国南東部、ベトナム、ミャンマー、ラオス

形態

体長150-170cm。尾長2-5cm。肩高114-130cm。体重95-150kg。眼の周囲や耳介の外縁、下顎は白い体毛で被われる。

蹄(主蹄)は長く、蹴爪(側蹄)も発達し主蹄と蹴爪の間が硬い。長い主蹄や主蹄と蹴爪の間が硬い部分により接地面が大きくなり、ぬかるんだ場所でも足をとられずに移動する事ができる。後肢の踵には臭腺(中足腺)がある。

夏季は背面が赤褐色、腹面が淡褐色の体毛で被われる。冬季には背面が暗褐色、腹面が白い体毛で被われる。幼獣は白い斑点が入る。

オスには前方に湾曲した弓状の角がある。角の長さは最大99cm。第1枝は左右へ湾曲し、第2枝は角幹のやや後方で分枝する。またオスの頸部には鬣状に体毛が伸長する。

分類

長らくRucervus(ヌマジカ属)の所属とされてきたが、分子系統によって、ヌマジカよりもシフゾウに近縁なことが判明し、角の構造もヌマジカとは異なることから、独立したPanoliaに移すことが提案された。

3亜種に分かれるとされる。2011年には亜種をそれぞれ独立種(P. eldiiP. thaminP. siamensis)とする説も提唱されている。

Panolia eldii eldii マニプルターミンジカ
インド(マニプル州)

生態

湿原などに生息する。オスは単独、メスは群れを形成し生活する。泥浴びを好み、気温の高い日には森林へ移動する。

食性は植物食で、主に草を食べるが木の葉、果実なども食べる。

繁殖形態は胎生。2-5月に交尾を行う。1回に1頭の幼獣を産む。授乳期間は42週間。オスは生後1年6か月-2年で性成熟する。

人間との関係

開発による生息地の破壊、角目的の乱獲などにより生息数は減少している。基亜種は1950年代に絶滅したと考えられていたが、1975年に再発見された。

関連項目

  • シカ科
    • シカ亜科

参考文献

  • 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科4 大型草食獣』、平凡社、1986年、84頁。

外部リンク

  • CITES homepage
    • Appendices I, II and III
  • 環境省
    • 基本情報:特定外来生物等一覧(外来生物法)

脚注


絶滅危惧種のターミンジカ、カンボジアで5年ぶりに発見

無印良品

無印良品

動物事典 ターミンジカ [ Rucervus eldii ]

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