家島 彦一(やじま ひこいち、1939年10月 - )は、日本の歴史学者、東京外国語大学名誉教授、元早稲田大学教育・総合科学学術院(教育学部社会科地理歴史専修)特任教授。専門は歴史学、イスラーム商業史。

経歴

1939年、東京生まれ。1962年慶應義塾大学文学部史学科を卒業。1966年、同大学院博士課程中退。在学中は、前嶋信次に師事した。1974年「イエメン・ラスール朝史に関する新写本の校訂とその史料価値の分析」を提出して文学博士。

1966年より東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所アラビア部門助手。1975年助教授、1987年教授、1998年より宇都宮大学国際学部併任教授。2002年に東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所を定年退官、東京外国語大学名誉教授、早稲田大学教育学研究科特任教授。

受賞・栄典

  • 2011年:『インドの驚異譚』で日本翻訳出版文化賞
  • 2019年: 第5回 三笠宮日本オリエント学術賞
『イブン・バットゥータと境域への旅』により

著書

単著

  • 『イスラム世界の成立と国際商業―国際商業ネットワークの変動を中心に』(岩波書店「世界歴史叢書」、1991年)
  • 『海が創る文明―インド洋海域世界の歴史』(朝日新聞社、1993年)
    • 『インド洋海域世界の歴史―人の移動と交流のクロス・ロード』(筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2021年)- 増訂版
  • 『イブン・バットゥータの世界大旅行―14世紀イスラームの時空を生きる』(平凡社新書、2003年)
    • 『イブン・バットゥータの世界大旅行―14世紀イスラームの時空を生きる』(平凡社ライブラリー、2022年、宮下遼解説)
  • 『海域から見た歴史―インド洋と地中海を結ぶ交流史』(名古屋大学出版会、2006年)
  • 『イブン・ジュバイルとイブン・バットゥータ』(山川出版社〈世界史リブレット〉、2013年)
  • 『イブン・バットゥータと境域への旅―「大旅行記」をめぐる新研究』(名古屋大学出版会、2017年)

訳注

  • 『イブン・ファドラーンのヴォルガ・ブルガール旅行記』(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、1969年)
  • イブン・バットゥータ『大旅行記』(全8巻、イブン・ジュザイイ編、平凡社東洋文庫、1996年6月 - 2002年9月)
  • 『中国とインドの諸情報』(全2巻、平凡社東洋文庫、2007年9月-12月)
第一の書・著者不明、第二の書・スィーラーフ出身のアブー・ザイド・アル=ハサン著述
  • イブン・ファドラーン『ヴォルガ・ブルガール旅行記』(平凡社東洋文庫、2009年9月)
  • 『インドの驚異譚』(全2巻、ブズルク・ブン・シャフリヤール編、平凡社東洋文庫、2011年10月-12月)
  • 『メッカ巡礼記 旅の出会いに関する情報の備忘録』(全3巻、イブン・ジュバイル著述、平凡社東洋文庫、2016年1月-5月)

共著

  • (上岡弘二)『インド洋西海域における地域間交流の構造と機能』(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、1979年)

脚注

関連項目

  • ダウ船
  • インド洋
  • ジャンク (船)

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