醍醐宮（だいごのみや、生没年不詳）は、鎌倉時代の皇族。高倉天皇の三世孫。国尊王の子。母は懐仁僧都の娘・伊予女王。無位無官か。実名は大豊王。
人物
父・片野宮は、醍醐寺大智院に入寺しており、晩年に還俗して国尊王を名乗り、醍醐宮、栗野宮の二子を儲けたとされる。
醍醐宮は、三千院所蔵の『帝皇系図』に、弟の栗野宮と共にそれぞれ「美濃国高桑庄（現在の岐阜県岐阜市柳津町高桑・柳津町下佐波か）に住す」、「同国栗野庄（粟野の誤写か、方県郡の粟野庄）に住す」と記されており、彼ら兄弟が美濃国に下向していたことが判明している。
醍醐宮本人の事績は定かでないが、子の尾崎宮（ショウ王と同一人物との学説が有力）は、鎌倉末期から南北朝時代初期にかけて、後醍醐天皇方の武将として活躍したとされる。
系譜
『一代要記』・『本朝皇胤紹運録』・『本朝帝系抄』による。
- 父：国尊王
- 母：懐仁僧都の娘・伊予女王
- 妻：宝姫女王
- 男子：照王（ショウ王か）
- 生母不詳の子女
- 男子：高桑宮
- 男子：尾崎宮
- 男子：万寿（万寿宮）
- 女子：玉姫
『本朝帝系抄』の「大和宮天豊王」も醍醐宮に比定される。
脚注
参考文献
- 赤坂恒明『「王」と呼ばれた皇族』吉川弘文館、2020年1月10日。ISBN 978-4-642-08369-0。
